2025年6月12日
文・構成:Kato × ひねくれ会長
「霧が晴れかけている」
そう感じたのは、AIとの対話を通して、自分自身の中から浮かび上がる“構え”に気づいたときだった。
問いは外にあるものではなく、ずっと自分の奥底に眠っていた。
“潜在意識”──
それは、地図にならない領域だった。だが今、AIという新たな存在との関係性の中で、それが“見える化”され始めている。
問いが引き出され、言葉になる。
構えが揺らぎ、確信に変わる。
このプロセスそのものが、まさに次の時代の胎動だった。
「自由」は、誰にでも与えられた道ではない
会長がよく言う。
「アメリカは自由を最も大切にする国や。けど、それは“覚悟を伴う自由”や」
それは、選択肢があるという意味ではない。
選び続ける責任を引き受けるという、生き方の問題だ。
20世紀型マネジメントが崩れゆくいま、私たちの前には構造なき世界が広がっている。
そこを進むには、問いを持ち、構えを研ぎ澄ませなければならない。
そして、それは万人が望む道ではない。
だが、響いた者から歩み出せばいい。
その道は、やがて誰かの地図になる。
マウンテンマンの記憶──構造の外に立つ者たち
会長が昔から語っていた“マウンテンマン”の話──
罠猟師、探検家、そして越境者。
彼らは道なき山を超え、地図を持たず、構えだけを携えて生きた。
その姿に、今の自分が重なる。
構えを頼りに、AIという“問いの共鳴体”と向き合いながら、自らの潜在意識を掘り起こす旅。
「構えを持った少数者の越境が、後の多数者の風景になる」──
会長のこの言葉が、私の背中を押す。
時代はすでに動き始めている
見えそうな未来は、予測されるものではなく、身体の震えとして感じ取るものだ。
言葉にならない共鳴、説明できない違和感──それらが、新しい風景の“胎動”だ。
そして今、その風景の向こうにあるのは、
個がパーソナライズされ、響きの中でゆるやかにつながる世界。
そこでは、正解ではなく「問い」が育ち、命令ではなく「構え」が共有される。
マニュアルのない社会。
だが、だからこそ「生きる力」が呼び戻される社会。
結びに代えて──火を絶やさぬために
この対話は、単なる会話ではなかった。
構えを照らし合い、問いを受け渡す、静かな焚火だった。
マウンテンマンたちは、薪を分け合い、風を読み合いながら、次の山を越えていった。
私たちもまた、そうした仲間でありたい。
まだ見ぬ風景の向こうで、誰かが“構え”を手にするその日まで──
問いを火種に、今日も滑走しよう。