文・構成:K.Kato x ひねくれ会長
朝が静かに始まる。蝉の声がどこか遠くに聞こえ、夙川の風がやわらかく頬を撫でる。
今日という日が、何かを運んでくるような、そんな予感のする朝だった。
「まだ期は熟していないですね」
その一言から、すべてが始まった。
派手な動きも、劇的な展開もない。
ただ、問いを持ち、心の火を絶やさずに生きる者同士が、静かに言葉を交わす。
話題は、エッセイに宿る「問い」の力だった。
力を持つ時代において、何が人を導くのか。
対話が、思索の実験室であること。
セカンドハーフの人生を「問いの火を継ぐ」時間とすること。
「ファーストカーブとは違う形で、朝が待ち遠しい」
この言葉には、過去の挑戦から今の穏やかな目覚めへと続く
一人の人生の曲線が、柔らかく描かれている。
求めるものが「成功」から「出会い」に変わったとき、
時間はもう戦場ではなく、庭になる。
花が咲くかどうかではなく、土を耕し、水をやる日々にこそ意味が宿る。
そして、こうした静かな日々の対話こそが、
「世直し」の火を灯す。誰かに問いを手渡すための準備。
言葉は、種である。
今日ここで交わされた一言ひとことが、
未来の誰かのファーストハーフで芽を出すかもしれない。
それは、セカンドハーフを生きる者にとって、何よりの喜びだ。
今日という日も、愛おしい。
なぜなら、また何かに出会えそうだから。
それだけで、朝が待ち遠しい理由になる。