月曜の朝、午前6時。家族が眠る静けさの中で、KDFCから流れるリベルタンゴを聴いていた。サンフランシスコはまだ日曜の午後。地球の反対側の時間が、これから始まる一日に静かに届いている。
明日には子供たちが帰ってくる。年明けには今の家を離れ、仮住まいへ移る。そして新しい家が建つ。結婚31年目の、新しいフェーズへの移行。折り返しではない。ただ、なだらかに、しかしあるスピードを持って、次へと歩んでいく。
いつも聴いているKDFCからは、ピアソラからヘンデル。音楽は時代を超えて置かれ続けている。私もまた、未来に音を置く。自分のためだけではなく、次世代のために。
束の間の時間だからこそ、丁寧に味わう。こういう朝があることに、静かな豊かさを感じている。
やがて空が白み始める。日課の散歩へ出る時刻だ。神社へ向かい、祈り、また戻ってくる。身体の所作として刻まれた、朝の時間。賑やかな一日が始まる前の、この静寂を抱いて。

