風の媒介者として──教育の現場に吹く二つの風

文・構成:K.Kato x ChatGPT


一、はてなボックスの若き風

橋本駅のスターバックス。
午後のざわめきのなかで、相模原市立橋本小学校の齋藤先生と向かい合った。
テーマは、教師たちが自発的に立ち上げた「一般社団法人はてなボックス」。
子どもたちの“問い”を中心にした学びのデザインを構想する、新しい教育実践だ。

私は“Big Picture”として、これまでのビジョンの輪郭と、その先に広がる地平を共に描いた。
齋藤先生の言葉には、教育を超えた創造の息吹があった。

「この先に進もうと思える力をいただきました。」

その一文に、教師という立場を越えた“共創者の覚悟”を感じた。
教育の現場から立ち上がる風。それは未来を耕す若い風だった。


二、成熟の風──マルケス先生との対話

夕方、もうひとつの風に出会った。
サレジオ高専で教鞭をとるマルケス先生。
教育者として30年を超える経験を持ち、早稲田大学で社会学博士号を取得した研究者でもある。
だが、彼の魅力はそれだけにとどまらない。

長年イタリアに滞在し、文化と食の両面から「人が生きる力」を見つめてきた。
料理人としての腕前は見事で、素材を慈しむように味を引き出す。
その手つきには、教育と同じ“いのちへのまなざし”が宿っている。

対話の中で、彼は穏やかにこう語った。

「まだ終わりではない。むしろここから始まる。」

その言葉には、知と経験を超えて“生きることそのものを教える人”の静かな確信があった。
イタリア、日本、東ティモール──
彼の歩みは、異文化を往還しながら人の心を耕してきた「教育という旅」そのものだ。


三、風をつなぐ者として

若き教師が吹かせる探究の風。
成熟した教育者が運ぶ熟成の風。
それらが交わるとき、社会の深層に“学びの循環”が生まれる。

サンフランシスコのメンターがくれた言葉が再び響く。

“Focus on your strength.”

強みとは、単なるスキルではない。
それは「自分が自然に他者と響き合う場所」を見出すことだ。

私は今、その場所に立っている。
風の媒介者として、
若さと成熟、理論と実践、文化と生活──その間に生まれる“響き”をつなぐ者として。

風は、確かに再び吹き始めている。

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