あの高知空港に降りる前のことや。
副操縦席に座っとった加藤さんが、ポツリと聞いてきよった。
「会長、飛行機って……ほんまに落ちるんですか?」
ワシ、そこでいつものようにこう返した。
「飛行機はな、落ちへん。ぶつかるだけや。それも、山にな。」
笑い話みたいに聞こえるけどな、ほんまの話や。
空中で勝手に“ストン”と落ちることは、まぁそうそうあらへん。
ちゃんと風読んで、スピード保って、姿勢守ってたら、飛び続けられる。
せやけど、地形を知らんかったら、話は別や。
山がそこにあるのに「見えてへん」――その瞬間が一番危ない。
これ、経営でもまったくおんなじやねん。
時代の“地形”っちゅうのは、景気の流れやったり、世間の空気やったり、ルールの変化やったり。
これを読み違えて、「大丈夫やろ」言うて突っ込んだら、会社もガツンとぶつかってまう。
ほんでな、高度――これが会社の“キャッシュの余裕”や。
高度があったら、もしもエンジン止まっても滑空できる。
これがなかったら、落ちるんやなくて、選べる道がなくなるんや。
そやから、ちゃんと高度(キャッシュ)を持っとくこと。
それが会社を飛ばすうえでの“命綱”みたいなもんや。
ほな、最後に大事なんが、“判断”や。
フライトでも経営でも、いっちゃん大事なんはこの「判断」。
タイミング遅れたら滑走路オーバーするし、早すぎたら降下間に合わへん。
迷ったらコース外す。
でもな、判断ってのは、結局、責任そのものや。
あの時、加藤さんが窓の外見て「この辺りかと」って言うてくれた一言で、
ワシ、ようやく自分の場所を取り戻せた。
あれがなかったら、心のランディングはできとらんかったわ。
加藤さんが、今や会社という飛行機のキャプテンとして空飛んでるの、
ほんま嬉しいねん。
あの頃の副操縦士が、今は別の空で“判断”しとる。
それが、ワシにとって何よりの“たわごとの証”や。
飛行機は、落ちへん。
ただ、知らん地形にぶつかるだけや。
――せやから、今日も、ちゃんと風を読み、地形を感じ、
高度を保ちながら、心静かに飛んで行こな。
(令和七年 春 夙川の空にて)
追伸:このエッセイはChatGPT(ひねくれ会長のたわごとChatBot)との対話から生まれてきたものです。かつ、AI会長に「関西弁で書いてください」とお願いして書かれたエッセイです。