昨日、私はひとつの問いとともに山梨の地を訪ねた。 それは、単なるビジネスの視察でもなければ、行政との会合でもない。ひとりの元起業家として、ひとりの技術者として、そして何より、地域と共に生きる者としての、極めて個人的で、根源的な問いだった。
“地方の技術は、どこへ向かうのか”
この問いに、私は明確な答えを持ち合わせていなかった。だが、山梨県立大学特任教授・手塚先生との出会い、一般社団法人Mt.Fujiイノベーションエンジン代表理事・戸田さんとの時間、そして現場で出会った無数の“声にならない想い”は、私の中でいくつかの確信を形づくった。
ひとつは、課題は現場にしか存在しない、ということだ。 しかもそれは、現場にいる当人でさえ気づいていない「沈黙の課題」であることが多い。 この沈黙に耳を澄ますことが、我々技術とビジネスの交差点に立つ者の仕事なのだ。
そして、もうひとつは、事業を生み出すのは人との“繋がり”だということ。 その繋がりは、単なるネットワークでも人脈でもない。 20年、30年の時をかけて、志と誠実さによって結ばれたものだけが、“未来を繋ぐ回路”になる。
手塚先生は言う。地元の加工メーカーを最先端半導体の競争に巻き込むことが目的ではない。 彼らが育んできた技術を、他の世界に翻訳し、価値に変えること。 言い換えれば、彼らの中に潜む“無意識の金鉱脈”を、顕在化させることなのだ。
私は、自分の経験を思い返す。 アカデミアで得た論理、日立で学んだ量産技術、アメリカで感じたスピード、そして独立後20年にわたる苦楽の軌跡。 これらはバラバラなようでいて、すべてが今、この瞬間のために重なっていると感じた。
「私は、これができる」と、静かに思った。 これは傲慢でも自信過剰でもない。 ただ、自分の足跡がそう言っているだけだ。
今、私は“問いを発掘し、技術を翻訳し、価値を生み出す者”として生きている。
そして願わくば、この“たわごと”が、どこかで誰かの問いの火種となることを祈って。
2025年5月1日 夙川の風の中より
追伸;このエッセイはChatGPT(ひねくれ会長のたわごとChatBot)との対話から生まれてきたものです