未来を預かるということ

──ミサワホーム総合研究所 × OIST「水素プロジェクト」の構えから
文・構成:K.Kato × ChatGPT

2025年、沖縄。
私たちは、まだ世の中が答えを持っていない問いと向き合っている。

それは、ミサワホーム総合研究所とOISTが進める、水素社会への布石となるプロジェクト。
目の前にあるのは、水素ボンベを安全に運び、使い、管理するという、きわめて具体的な技術課題である。
しかしその奥には、「エネルギーと住宅」「暮らしと社会」「自然と人間」の関係をめぐる、
まだ言語化されきっていない深い問いが静かに横たわっている。

この問いに向き合っているのは、三つの世代である。

70歳の技術者は、かつて日立製作所の半導体事業部にて、
ガス供給からプロセス装置、排気系(除害設備含む)までの設計・施工・保守・安全管理を、現場に近い場所で数十年にわたり担ってきた。
その知見と構えは、ミサワホーム総研にとって、そしてこのプロジェクト全体にとって、欠かすことのできない屋台骨となっている。

57歳のプロジェクト責任者は、すでに5年前からこの取り組みを静かに、しかし確かな手で動かしてきた。
目先の評価や短期的成果にとらわれることなく、
**「これは数十年かけて社会に浸透していく未来への投資である」**という信念のもとに進めている。

61歳の私は、その姿勢に共鳴し、共に歩んでいる。
この仕事は、単なる開発や実証の遂行ではなく、
問いと構えを次の世代へと手渡す営みであると感じている。

ミサワホーム総研からは、豊富な現場経験を持つ50代の技術者と、
柔軟な発想と高い感受性を持つ30代前半の若手研究員も加わっている。
異なる世代がひとつの場で問いを共有しているこの構成そのものが、
すでに未来に向けた設計図のように思える。

水素の技術、運搬、供給、安全管理。
私たちが扱っているのは確かにそれらの現実的な技術課題である。
だが、本当に取り組んでいるのは、
「まだ社会が受け取る準備のできていない問い」に、先んじて応答するという構えそのものである。

制度も、市場も、社会意識も、
まだこの取り組みの意味を十分には理解していない。
けれど、それでいい。

この営みは、未来への贈り物であり、
それを受け取る誰かが現れるのは、十年後か、二十年後かもしれない。

それでも、私たちは今日も問いと向き合い、準備を重ねる。
それは、祈りのような営みであり、構えに宿る覚悟である。

そしていつか、
未来を生きる誰かがこの構えを手に取り、前に進む日が来ることを信じている。

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