午前7時半。静まり返る都市の片隅で、画面越しに人が集まってくる。
Landing Pad Tokyo(LPT)が主催する月例のオンラインサロンだ。
参加者は中小・中堅企業の経営者や実務家、そして彼らを支援する行政・支援機関の担当者たち。
それぞれが多忙を極める中で、この時間に“集まろう”とする意思こそが、LPTの価値の源泉だ。
LPTでは、毎月一度のオンラインサロンに加え、オンラインセミナーも定期的に開催している。
サロンでは率直な問いや実践の悩みが共有され、セミナーでは専門知と現場知が交差する。
どちらの場にも共通しているのは、「形式よりも本質」「説明よりも共鳴」を重んじる姿勢だ。
この活動の出発点は2019年、相模原市とカナダ・トロント市との姉妹都市関係をきっかけに、JETROの支援で派遣されたカナダミッションだった。
当初は国際連携を目的とした活動だったが、コロナ禍を経て、LPTの焦点は“つながりそのもの”へと移行した。
LPTが目指すのは、単なる情報交換の場ではない。
行政や商工会議所だけでは担いきれない、“変化の最前線”にいる企業や支援者たちが、対等に出会い、語り合い、協働の兆しを見出せる場だ。
LPTは今、次の役割を担おうとしている。
それは、
- 企業と支援機関のあいだをつなぎ、
- 制度と現場のあいだを翻訳し、
- 都市と地域のあいだを往還させる
「結節点」としての機能だ。
そこに集う人々は、決して多くはないかもしれない。
けれども彼らの声は、本物だ。問いも悩みも、現場から立ち上がってくる。
そうした声が交差し、思わぬ協働の火花が散る瞬間こそが、この場の醍醐味である。
形式や制度ではなく、構えと意志によってつながることの可能性。
それを信じる者たちが集まる場所──
それがLPTであり、これからの時代における“つながりの原型”なのかもしれない。