共闘という名の船に乗るあなたへ

この時代に、企業を営むとはどういうことか。
ましてや、変化の風が止むことのない荒海を、
小さな船で渡ろうとするあなたの、その決断に、私は静かに敬意を送りたい。

世界は変わった。
もはや「過去の成功」が地図になる時代ではない。
半導体の波も、AIの風も、再生エネルギーのうねりも、
すべては予測ではなく、応答の構えを持つ者だけに航路をひらいていく。

そんな中で、あなたは一人きりで進むことの限界を知っている。
けれど、群れることはしない。
ぬるい仲良しクラブに未来はないことも、よくわかっている。

だからこそ、今ここに立ち上がるのは、共闘という名のかすかな連携。
それは、志と覚悟のある者たちが、リスクを持ち寄って、試す関係
「全員が生き残るわけではない」という現実を前提に、
それでも舵を握ることをやめない者たちが、黙って並ぶ航路。

ここには救命ボートはない。
だが、灯りはある。
それぞれの現場で苦悩しながら、
それでも技術を磨き、組織を変え、若い手に渡そうとするその姿が、
あなたの灯りにきっとなる。

船は不安定だ。
明日、沈むかもしれない。
だが、この船には「自分で選んで乗った」という、静かな誇りがある。
他人に流されたわけでもなく、制度に甘えたわけでもなく、
この荒波に、自ら足を踏み出した者の誇りが、そこにある。

どうか忘れないでほしい。
この航路に、正解はない。
だが、あなたが覚悟をもって進み出すその背中こそが、
次の世代にとっての希望の海図になる。

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