文・構成:K.Kato x ChatGPT
東京ロボティクスが安川電機の完全子会社となったという報せを聞いたとき、
胸の奥に静かな拍手が響いた。
ロボティクスという、最も時間と資金と覚悟を要する領域で、
創業者としてここまで歩みきったこと。
それ自体が、何よりの成果であり、そして「生きた証」だと思う。
ロボット関連のスタートアップは、出口が遠い。
資本の論理だけでは語り尽くせない、
ものづくりの矜持と、試行錯誤の果ての知恵が必要とされる。
その長いトンネルの先に「完全子会社化」という光を見たとき、
きっと彼の中で、ひとつの重い荷が静かに下ろされたのだろう。
そして同時に、別のかたちの責任──技術を未来に託すという新しい使命──が
始まったのだと思う。
創業とは、嵐の中で帆を張るような営みだ。
だが、エグジットの瞬間こそ、もう一度「志」を問われる時でもある。
どんな道であれ、自らの手で築いた技術を、より大きな舞台に引き渡す。
それは敗北ではなく、成熟の証。
技術を枯らさず、社会の血流へとつなげる「継承のかたち」だ。
彼の投稿には、「最先端ロボティクス技術で日本を元気にします」という言葉があった。
この言葉を読んだとき、そこにあったのは
勝者の宣言ではなく、次の世代への呼びかけに近い響きだった。
だから私は思う。
うまくエグジットできた起業家にしかできない貢献が、たしかにある。
それは、これからの若い挑戦者たちに“どうすれば続けられるか”を伝えることだ。
肩の荷を降ろしたあとに見えてくる風景は、静かだが豊かだ。
焦燥や不安ではなく、経験が熟していく音が聞こえる。
ここからが本当に、創業者としての“セカンドハーフ”の始まりである。
私たちはもう、勝ち負けのステージではなく、
次の光を誰に手渡すかを問う地点に立っている。
彼の新しい門出に、心からの祝福を送りたい。
その背中が、次の世代を照らす灯となることを願って。